残暑見舞い

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Lyric

浴衣帯畳んで並べ 揺れる親子鶴眺める
不意に過ぎる風鳴る音に あなたの声を重ねる
空高く舞う紙風船 風に吹かれ飛んでいく
追い掛ける後ろ姿 懐かしむのはいつか

微かに残る線香の香りに 胸の何処かがチクチクと
あなたを想う鮮明な色 今は何故か黒白で

夕立ちに歩みを止めて
あなたの背中に手向け花
軋む心が冷たくなって
何か言ってよと 口遊む

仄かに揺れた浴衣の花を 目蓋に感じては滲んでる
手を繋ぎ歩いたあぜ道も 薄く揺れる陽炎の中に

夕焼けに歩みを止めて
二人の影が空に写った
おかしいね 不思議だねと
はしゃいで笑う あなたがいない

刹那さに思い巡らす
来年また会いにくるから
消えないように祈るけれど
儚げに散る線香花火